2021.06.09

弊社が提携をする世界的な大学評定機関、英QS社がQS世界大学ランキング2022を発表。世界97のロケーションにある上位1,300大学(昨年版よりも145校の枠増加)をランク付け

高等教育の世界的評価機関であるQS Quacquarelli Symonds社が、世界で最も参考にされている世界大学ランキング(第18版)を2021年6月9日に発表しました。最新版では、ランク入りした日本の大学の半数近くが昨年よりも順位を下げる結果となっています。順位を下げた大学があった一方で、東京大学は世界ランキングで順位を1ランク上げて同率23位、アジアの大学では6位になりました。東京大学は過去10年間で1度だけ、23位よりも高く順位付けされたこともあります(2020年、22位)。


マサチューセッツ工科大学(MIT)は10年連続で世界1位に選ばれ、これまでの記録を更に更新しました。オックスフォード大学が2006年以来、2位に返り咲いた一方で、スタンフォード大学とケンブリッジ大学の2校は同率3位でした。


QSが発表したランキングには日本の大学48校が含まれており、昨年版よりも7校増加しました。48校の内訳は以下の通りです:

      • 順位を下げた大学:23校(47.9%)
      • 順位を上げた大学:5校(10.4%)
      • 同順位を維持した大学:17校(35.4%)
      • 今回初めてランク入りした大学:3校


ランキング作成時に使われる大半の指標において、東京大学が引き続き優れた実績を挙げていることがわかります。以下はその例です:

      • 東京大学はAcademic Reputation(学術関係者からの評判)という指標で100点満点を獲得し、世界の学界から非常に高い評価を受けていることを実証しています。
      • Employer Reputation(雇用者からの評判)という指標でほぼ満点(100点満点中99.6点)という高得点を獲得しており、雇用者からの評価が前年よりも向上しています。
      • 教育力を表すFaculty/Student Ratio(FSR:学生一人当たりの教員比率)では、100点満点中92.4点を獲得し、世界70位に順位を上げています。
      • 研究の影響力を測定するCitations per Faculty(教員1人当たりの論文被引用数)で100点満点中79.0点を獲得し、研究の影響力における実績が前年度よりも向上しています。


その他の日本の大学のハイライト:

      • 京都大学(33位)は前年よりも5位上昇し、2011年以降で最高の順位になっています。
      • 東京工業大学(前年度と同じ56位)は、2009年版で自己最高順位を獲得した以降、その順位を維持しています。
      • 大阪大学は同率75位に順位を下げました。これは同大学にとって当ランキング史上2番目に低い順位です。これより順位が低かったのは2005年(105位)のみです。
      • 慶應義塾大学(201位、10ランク下降)は上位200校に入りませんでした。同大学はこれまでに15回ランキング掲載されていますが、上位200校に入らなかったのは4回のみです。
      • 早稲田大学(203位)は2019年版で上位200校入りを果たしましたが、今回は上位200校には入りませんでした。
      • 東京医科歯科大学はFaculty/Student Ratioが卓越しており、100点満点を獲得しました。Faculty/Student Ratioで100点を獲得した日本の9大学のうちの1つです。


QS社のリサーチ責任者であるベン・ソーター(Ben Sowter)は次のように述べています。
QS世界大学ランキングで、日本の大学は苦戦が続いています。そのため、このような後退傾向の背後にある理由を理解することがきわめて重要です。基礎データをみると、世界の学界全般は依然として日本の大学を高く評価していることがわかります。日本の後退の主な背景として、研究業績の低下があげられます。20年にわたり知的資本に対する日本の投資が停滞してきたことの結果であり、例えば日本の博士課程に在籍する学生の総数をみると、2003年時点と比べ、ほぼ半数にまで減っています。一方、中国は一貫して博士号の数を増やしており、日本と中国の差は顕著になっています。またスイスも、博士号課程の学生に寛大な財政支援を行っています。今年の初め、日本では「大学ファンドの創設」が新たに発表されました。これは衰退しつつある日本の研究成果の復活に向けた、希望の持てる一歩ですが、投資開始は2022年以降であり、我々のランキングにおいて成果が目に見えるようになるまでには、そこからまだ数年かかるでしょう」


今年、QSは世界の97のロケーションにある上位1,300大学(昨年版よりも145校の枠増加)をランク付けしています。6,415校にアンケート調査を実施し、1,705校の評価を行い、最終的なランキングをまとめました。また2015~2019年にかけて発表された1,470万本の論文の浸透状況及び業績、並びに9,600万回というそれらの論文の被引用数も、調査結果に反映しています。さらに130,000人以上の教員陣及び75,000人以上の雇用者などの専門家の意見も、結果に反映しています。

・日本の上位10校.png

© QS Quacquarelli Symonds 2004-2021 https://www.TopUniversities.com/

無断複写、転載を禁じます。

   ・アジアの上位10大学.png

© QS Quacquarelli Symonds 2004-2021 https://www.TopUniversities.com/

無断複写、転載を禁じます。



評価方法
QSは6種類の指標を利用して当ランキングを作成しています:

(1)Academic Reputation(学術関係者からの評判)

130,000人以上の学術関係者から回収したアンケート調査の回答に基づいています。

(2)Employer Reputation(雇用者からの評判)

75,000人以上の雇用者から回収したアンケート調査の回答に基づいています。同アンケートでは、大学との関係や卒業生の雇用可能性について調査しています。

(3)Citations per Faculty(教員一人当たりの論文被引用数)

研究の影響力を測定するものです。各大学が過去5年間に発表した研究論文の被引用数の合計を、その大学の教員の人数で割って算出します。

(4)Faculty/Student Ratio(学生一人当たりの教員比率)

教育力を表す指標で、学生の人数を教員の人数で割って算出します。これを参照することで、世界中の学生が志望大学のクラスの規模を予想できます。

(5)International Faculty Ratio(外国人教員比率)

国際化の度合いを測定するQSの2つの指標の1つであり、各大学の外国人教員の比率を測定するものです。

(6)International Student Ratio(留学生比率)

国際化の度合いを測定するQSの2つの指標のもう一方であり、各大学の留学生の比率を測定するものです。海外の学生から見た大学の国際的な魅力度を間接的に表しています。


評価方法に関する詳しい情報は、こちらで閲覧できます:

https://www.topuniversities.com/qs-world-university-rankings/methodology
全てのランキングは日本標準時の6月9日水曜午前5時から、こちらで閲覧できます:
https://www.topuniversities.com/

-以上-



QSのアナリストとのインタビューについては以下までお問い合わせください:

Simona Bizzozero
Director of CommunicationsQS Quacquarelli Symonds
simona@qs.com
pressoffice@qs.com
@QS_pressoffice
+ 44(0)7880620856
+44 (0) 2072847248

Jack N. Moran
Senior Public Relations ManagerQS Quacquarelli Symonds
jack@qs.com
@JackNathanMoran

+44 7474 847 430



各メディア編集者のためのメモ

QS Quacquarelli Symondsについて

QS Quacquarelli Symonds社は全世界の高等教育機関の関係者にサービス、アナリティクス、コンサルを提供する世界有数の企業です。当社のミッションは、世界中の意欲ある人々のために、教育の成果、留学、キャリア開発を通じて潜在能力を十分発揮できるよう支援することです。
2004年に初めてQS世界大学ランキング・ポートフォリオを発表して以来、成長を遂げ、大学のパフォーマンスを比較するためのデータとして世界で最も多く参照される情報源となっています。ランキングを掲載しているメインのウェブサイトhttps://www.topuniversities.com/は、2020年に1億4,700万回以上閲覧されました。またQSの調査結果は世界中の報道機関に紹介されており、2020年の報道件数は79,000件を超えております。


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